「合縁奇家 DEMO DAY」を開催しました

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寄居町の中心市街地にある旧洋裁学校。その新たな活用方法を考えるイベント「合縁奇家DEMO DAY(デモデイ)」を5月14日(土)に開催しました。

DEMO DAY(デモデイ)は、合縁奇家が保全・管理している空き家について「こんな使い方をしてみたらどうだろう」という空想アイデアをデモンストレーションして実現し、そこで生まれた出店者や来場者の反応を今後の活用計画に活かすためのイベントです。

今回は昨年より合縁奇家が保全活動を行なっている旧洋裁学校(寄居ドレスメーカー女学院)を舞台に、1階をテナント、2階をレンタルスペースとして使う場合を想定したDEMO DAYを開催させていただきました。

1階テナントスペースはSDGsを取り入れた事業を展開している染色工房「きぬのいえ」さんによる古着販売事業「OTAKARA SOMA:Re」のポップアップストア。

日本における衣服の廃棄量は年間100万トンとも言われています。それを廃棄するための運搬コストや、焼却時の大量の二酸化炭素の排出は地球環境に大きな影響をもたらします。

使われなくなった洋服をリユースすることで環境への負荷を減らす。一人ひとりができることは小さいかもしれませんが、積み重なればいずれは大きな変化の渦が生まれます。「OTAKARA(お宝)」の名前の通り、お気に入りの服を選ぶワクワク感も楽しめながら環境にも貢献できる、素晴らしいショップでした。

2階では個性豊かな4つのワークショップを学校らしく時間割方式にて開催。

1限目は寄居町内で洋服のお直しや着物のリメイクショップを営んでいるアトリエリカさんによるマルチクロスづくり。

旧洋裁学校の片付けをする過程で掘り起こされた古い浴衣をマルチクロスにリメイク。参加者は手縫いでちくちくと運針しながら、この場所の歴史や当時の様子を想いを馳せていたようでした。

アトリエリカさんにはこの旧洋裁学校の保全活動初期からご協力をいただき、私たちの想いを理解していただき本当に感謝しております。

2限目は室岡昭子さんによる「切り紙で作るお花の壁飾り」。

切り絵作家として展示会や本の出版など多岐に渡りご活躍している室岡さん。「神は細部に宿る」とは建築界の巨匠ミース・ファンデル・ローエの言葉とされますが、室岡さんの切り紙作品はまさに細部まで繊細に作られ唯一無二の価値を感じさせます。

今回は切り紙で作った花びらを重ね合わせてお花を作るワークショップを開催していただきました。ご自宅で子ども絵画造作教室も営む室岡さんだけあって、お子様も楽しそうに紙を切って作品を作られている姿が印象的でした。

3限目は倉林佐百合さんによるドライフラワーリースづくり。

前回のガーデンマルシェにも出店いただいた倉林さん。ドライフラワーのイメージを覆す、色鮮やかなお花を使って可愛らしいリースづくりを教えていただきました。

特に女性の参加者に人気でたくさんの方にご参加いただきました。木の机いっぱいにお花を広げて制作する様子に「この学校がまだ開かれていた頃はこんな光景だったのでは」と想像が膨らみ、教室は華やかな空気に包まれました。

4限目は草野由美子さんによるガラスペン体験。

ガラスペンは1902年に風鈴職人の佐々木定次郎によって考案された日本生まれの筆記具。ペン先の溝にインクが入り込み、毛細管現象により先端にインクが流れ出る仕組みです。

今年2月に誕生したばかりの埼玉ご当地インク「彩玉ink」を使って旧洋裁学校に残っていたデザイン画に色を塗ったりと、まさにここでしかできないワークショップとなりました。

草野さんは公務員でいらっしゃいますが、今回しっかりと正式な手続きをとったうえでワークショップの講師を引き受けていただきました。誠にありがとうございました。

今回のDEMO DAYを通して、旧洋裁学校の今後の活用により具体性が帯びてきたような気がします。ご協力いただいた皆様のおかげでとても有意義なイベントとなりました。皆様に感謝申し上げます。

まだまだハードルはありますが、いつか今回のイベントで見られた風景が「日常」になるような日が来ることを願っております。今後とも応援をよろしくお願いいたします。

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